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償却資産について
償却資産とは
法人や個人で工場や商店などを経営しておられる方や、駐車場やアパートなどを貸し付けている方が、その事業のために用いている構築物、機械、器具、備品等で減価償却の対象となるものを償却資産といい、土地や家屋と同じように固定資産税が課税されます。
また、土地・家屋と異なり申告制になっており、償却資産の所有者はその償却資産が所在する市町村の長に、毎年1月1日現在の償却資産の状況を1月31日までに申告することになっています。
評価額の算出方法
申告いただいた資産の取得時期、取得価額及び耐用年数から、個々の償却資産について評価額を算出します。
・前年中に取得したもの
取得価額×前年中の取得分の原価残存率=評価額
・前年前に取得したもの
前年度評価額×前年前取得分の原価残存率=評価額
以降、毎年この方法により計算し、評価額が取得価額の5%になるまで償却します。
償却資産に係る評価額は、取得価額の5%を最低限度額と定めているため、5%から減価することはありません。
取得価額300,000円、取得時期平成30年9月、耐用年数4年のパソコンの評価額の計算例
(1)「償却資産の減価残存率表 [PDFファイル/46KB]」から
前年中に取得した「耐用年数4年」の資産の減価残存率=0.781
前年前に取得した「 〃 」の資産の減価残存率=0.562
(2)原価残存率を次のように式にあてはめる
平成31年度 = 300,000円 × 0.781 = 234,300円
令和2年度 = 234,300円 × 0.562 = 131,676円
令和3年度 = 131,676円 × 0.562 = 74,001円
令和4年度 = 74,001円 × 0.562 = 41,588円
令和5年度 = 41,588円 × 0.562 = 23,372円
令和6年度 = 23,372円 × 0.562 = 13,135円 → 15,000円
(最低限度額)
※令和6年度の評価額は、取得価額(300,000円)の5%未満となりますが、固定資産税(償却資産)の評価額は取得価額の5%を最低限度額としているため、このパソコンが事業用に使用されている期間の評価額は、令和6年度以降も15,000円となります。
税額の算出方法
上記の例で算出した、償却資産の評価額の合計を課税標準額(1,000円未満切り捨て)といい、この課税標準額から次の計算により固定資産税額(100円未満切り捨て)を算出します。
・固定資産税額=課税標準額(所有する全ての償却資産の評価額の合計額)×税率(1.4%)
※ 課税標準額が150万円未満(免税点)の場合は、課税されません。
主な業種の申告が必要な償却資産の例示
業 種 | 具 体 例 |
共 通 |
駐車場設備、受変電設備、舗装路面、植栽、門、塀、外構、広告塔、中央監視制御装置、看板、応接セット、エアコン、パソコン、 太陽光発電設備、LAN設備(配線含む)、船舶等 |
小 売 業 | 冷蔵庫、冷凍庫、レジスター、自動販売機、陳列ケース、陳列棚、日よけ等 |
飲 食 業 | 厨房設備、冷蔵庫、冷凍庫、製氷機、カラオケセット、テーブル、イス、レジスター、放送設備等 |
理容・美容業 | パーマ器、消毒殺菌器、サインポール、理・美容椅子、洗面設備、タオル蒸器、テレビ等 |
不動産貸付業 |
門扉、フェンス、植栽、外灯、自転車置場、駐車場舗装、エレベーター用受変電設備、屋外給排水・電気設備、防犯カメラ等 |
駐車場事業 | 柵、照明等の電気設備、駐車装置(機械設備、ターンテーブル)、駐車場料金精算機等 |
農 業 |
ビニールハウス、農耕用車両(小型特殊自動車を除く)、温室管理装置や乾燥機など農業用機械設備、農業用器具 |
建 設 業 |
ブロックゲージ、ポンプ、ポータブル発電機、ブルドーザー、パワーショベル、コンクリートカッター、ミキサー等 |
製 造 業 |
食料品製造設備、金属製品製造設備、旋盤、ボール盤、梱包機、特定の生産・業務用のための電気・ガス・空調設備等 |
娯 楽 業 |
パチンコ台、パチスロ台、ゲーム機、両替機、玉貸機、カード発行機、島台、店内放送設備、防犯監視設備、事務機器等 |
医 療 業 |
各種医療機器(ベッド、手術台、X線装置、心電計、電気血圧計、CT装置、MRI装置、各種検査機器)、各種事務機器等 |
自動車整備業 ガソリン販売業 |
プレス、スチームクリーナー、オートリフト、テスター、オイルチェンジャー、充電器、洗車機、コンプレッサー、卓上ボール盤、 ジャッキ、溶接機、地下槽、ガソリン計量器、地下タンク、照明設備、独立キャノピー等 |
宿 泊 業 |
ルームインジケータ設備、調光設備、放送設備、洗濯設備、厨房設備、カラオケセット、カーテン、テレビ、ベッド、冷蔵庫等 |
次のようなものは、課税の対象となりません。
(1)耐用年数1年未満の資産
(2)取得価格が10万円未満の資産で、法人税法等の規定により一時に損金算入されたもの
(3)取得価格が20万円未満の資産で、法人税法等の規定により3年以内に一括して均等償却するもの
(4)自動車税及び軽自動車税の対象となるもの
※ただし、(1)(2)の場合であっても、個別の資産ごとの耐用年数により通常の減価償却を行っているものは課税の対象となります。